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ダイバーなら知っておくべき水中で津波に遭遇したダイバーたち11人の壮絶な体験記録


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スマトラ島沖の水中で津波に遭遇したダイバーたちの記録体験

2004年12月26日(日)、現地時間は朝の午前7時58分ごろに、スマトラ島の北部バンダ・アチェ市の南南東沖合250キロメートルの海底で、マグニチュード9.0も計測された、観測史上4番目にもなる巨大地震が発生。

スマトラ島沖の水中で津波に遭遇したダイバーたちの記録体験

地震の発生によってできた津波は、インドネシア・スマトラ島北部のインド洋沿岸、モルディブ、タイ、インド南部、スリランカ、アフリカ東部に渡って被害が続出し15万人以上にもなる死亡が確認されるほどの大惨事に。特に被害の出たモルディブ、タイの人気リゾートでダイビングをしている最中、つまり水中で津波に遭遇したダイバー達の体験記録をご紹介します。

スマトラ島沖の水中で津波に遭遇したダイバーたちの記録体験

犠牲になった全ての人にご冥福をお祈りします。


ルーク・ワトソン氏 男性 30歳 イギリス人 ピピ島(タイ)にて

タイでダイバー達の海中撮影を仕事としていた彼は地震が起こる前にピピ・レ島沖のポイントで、フランス人、スウェーデン人、イギリス人のグループを撮影する為に一緒にダイビングをしていた。

 

 

ダイビングを45分間終えたところで水深12mの地点まで戻ってきた午前10時30分頃に水中で最初の津波がやってくる。

 

 

「突然の潮の流れがあることはダイビングでは良くあることだが、今までに経験のない激流だったよ!

 

 

 

突然流れがやってきたんだ!

 

 

 

僕は必死に岩にしがみついたけど、足は宙に浮いた状態で引っ張られ今にも飛ばされそうだったよ!

 

 

 本当に今でも恐怖が蘇る位の流れだったんだ!

 

 

他のダイバー達は耐えられずに押し流されたと思ったその時、いきなり流れが反対方向に変わりダイバー達が引き戻され、普通の状態じゃありえない流れだったよ!」

 

 

その後流れが収まった時に界面に緊急浮上すると船の上にいたダイビングガイドが叫んだ。

 

 

「早く船にあがれぇー!!」 

 

 

船に上がってリゾート拠点のトンサイベイ地区を眺めてみると。海水がまるで沸騰しているような状態にみえたみたいだ。

 

 

そんな異常ともいえる不気味な状態のトンサイベイには戻れないと判断した船長は海上から様子を伺うことにした。

 

 

 「その後、海が落ち着いた時にトンサイベイに戻ったんだけど、今までに見たことのない悲惨な光景が広がっていたよ!

 

 

本当に震えるほど怖かったよ!

 

 

ごみクズから大きなものまで湾内中に浮かんでいてその隙間を避けながら船を進むことしかできなかったんだ!

 

 

生活用品や木くずや家具など色んなものだったよ!

 

湾外に出て行くボートとすれ違った時に見えたのが、舷側には複数のタイ人の死体が括りつけてあったんだ。」

 

 

「家の屋根にスピードボートが突き刺さった状態でビーチにあったバンガローは跡形もなく沈んでいたんだ。

 

 

船から下りると道にはタイ人の遺体が布や木や鉄板で覆われたくさん残っていて、優先的に西洋人の死体は片付けられていたんだ。

 

 

ダイビングで一緒だったダイバー達は耐え切れず船の上で泣いていたよ。」 


リー・クレイディー氏 女性 21歳 欧米人 ピピ島タイ)にて

カリフォルニア州在住の学生のリー・クレイディーは旅行先のピピ島でダイビング講習を受けていたときに津波に遭遇している!

 

 

リー・クレイディーは最初、水が怖くダイビングを嫌がっていたが、最終の海洋実習の頃には水にも慣れていた!

 

 

ダイビングポイントはピピ島からボートで30分、最終項目の4本目の海洋実習を行っているその時に津波に遭遇している。

 

 

午前10時6分にダイビング開始!

 

 

 メンバーはイントラと二人の女性とクレイディーの4人。

 

 

 スキルの練習をしているときに海中の様子が普段とは違う、何かおかしいと感じたようだ!

 

 

 その理由は普段は寄っていくと逃げてしまう魚が自分達から逃げず、体の下や回りに群れが集まってきて隠れる居場所を探しているようだった!

 

 

 その時、クレイディーは突然の圧力を感じた瞬間、流れが強くなり押し流され始めた。

 

 

 講習生達3人は掴まり合いイントラは講習生達を掴まえようとしたが、激流に吹き飛ばされてしまった!

 

 

ダイバー達の自由は全くといっていいほど効かず、浅瀬に上がったり13mくらいの深みに戻されたりと繰り返し、さらに水平感覚も失ってしまう状態だった。

 

 

透き通ったコバルトブルーの海も砂が巻き上げられ濁っている。

 

 

 ダイビングの経験の浅いクレイディーは、この事が異常なことだと気づかなかったおかげでパニックを起こさなかったと言う。

 

 

 その後、講習生の1人は珊瑚の塊に押さえつけられ動けない状態だったが他のイントラが助けてくれたみたいだ。

 

 

 異常な状態も終わり浮上したときの水面は普通の状態と変わらず静かだったという。

 

 

イントラが海面でクレイディーに

 

 

「何があったんだ!今さっきの流れは普通ではなく異常だ」

 

 

 と叫んだあとに無事に船に拾い上げられピピ島の近くまで行ってみたが、その光景は接岸できる状況ではなかった。

 

 

 ホテルは津波で破壊され荷物も流されていし、また津波が襲ってくる不安もあることから夜まで船の上に待機して、その後船長が津波の被害がない島に連れて行ってくれた。

 

 

 その島は人口が20人程度の島でクレイディー達に食べ物や就寝場所などを提供してくれたと言う。

 

 

翌朝、目が覚めると島民が持っていた携帯電話を貸してもらい、回線状態は悪かったが、ようやく家族のいるアメリカに連絡をすることができ無事を伝えられた。

 

 

 船長はその日にクレイディー達をクラビの町まで連れて行きタクシーでプーケの津波緊急センターに移動し、そこからタイ政府の元でバンコクに移送された。

 

 

もちろんすぐにでも帰りたいが、パスポートがなくバンコクで再発行するのに3日間かかった。 


フェイ・ワックス 女性 34歳 欧米人 社会学教授 ピピ島タイ)にて 

フェイ・ワックスは夫婦でピピ島周辺にてダイビングしていた最中に津波に遭遇している。

 

 

水深は約35mの地点で透明度も良かった海が急に透明度が悪くなり、海底へと吸い込まれるような強い流れを感じたその時、ダイブマスターが浮上サインをし、海面に出たがすぐには何が起きたのかは分からなかった。

 

 

 その海面には無数のゴミがういており、ダイブマスターがそれを見て

 スマトラ島沖の水中で津波に遭遇したダイバーたちの記録体験

 calbo.dk

「海にゴミを投げ捨てるなんて、酷いよなぁ」

 

 

 

と言った後に船に上がると大きな漂流物が見えた。

 

 

「ボートの事故でもあったのだろうか」

 

 

 と話していると、陸上からの連絡で今何が起こっているのかを知ることになる。

 

 

 そのまま船に乗っていると、タイ人や外国人などの複数の遺体が流れていた。

 

 泊まっていたホテルのあるピピ島に戻るとホテルは無残にも少しの形を残しただけで、もちろん荷物も無くなっていた。


ステファニー・アダム 女性 フランス人  ピピ島タイ)にて

 

上海在住のステファニーはドイツ人の彼とピピ島周辺でダイビングをいている最中に津波に遭遇している。

 

 

 水深は18m以上あり、急に透明度が悪くなり周りは何も見えなくなったという。

 

 

ステファニーカップルと一緒に潜ったダイバー達は、その強い流れと悪くなった視界で次々とはぐれてしまい、ステファニーも彼とはぐれ1人で浮上、そのドイツ人の恋人は行方不明になった。


エイミー・ハーディング   女性 24歳  イギリス人  ピピ島タイ)にて

ピピ島に在住しているイントラのエイミー・ハーディングは講習をしている最中に津波に襲われている。 

 

 

 浅瀬で講習をしている最中に講習生達と共に陸へと押し流され、そのまま運よく講習生全員がホテルの屋根に打ち上げられたことから助かった。

 

 

 講習を受けていたイギリス人のアン・デブリンの話によると、みんなの手や足は傷だらけだったという。


ラシュディ・イスマイル マレーシア人 ダイブマスター  ピピ島(タイ)にて 

イスマイルがピピ島に来てから2ヶ月半が経った頃に忘れもしない津波と遭遇している。

 

 

イスマイルさんは4人のダイバーとピピ島周辺にあるビダ・ノクのポイントでダイビングをしていた。

 

 

 「潜水して29分が経過した10時27分に突然強力な渦に巻き込まれてしまい、まるで洗濯機の中にいるかのようだった」

 


 「私はビダ・ノクポイントの地形が詳しかったので、どうしたら強い流れから避けることができるのかわかっていたんだ」

 

 

イスマイルはダイバー達を岩の陰に誘導し流れを避けることができたという。

 

 

その後、無事に浮上した海面は怖いくらい静かだったと言う。

 

 

 船に上がり船長の判断でピピ島には戻らず、長い時間海の上で漂っていてピピ島に戻ったのは午後の7時になっていた。

 

 

 「ピピ島に接岸するまでに人間の体が3体も浮いていてショックだったよ。それだけではなく、殆んどのホテルや建物は崩壊していたよ」

 

 

 怪我がなく無事だった人達がケガをした人達を助けるために海岸から1kmもある丘の上まで運んでいったという。

 

 

 「初日は救援は全く来なく、自分達で担架を作り、傷口にはベッドのシーツを破り包帯代わりにし、さらには生存者を探している途中の遺体を100体以上も片付けて大変だったよ」


ベッキー・ラルフ女性 25歳 美術学校生 ピピ島タイ)にて

ラルフはダイビング中に津波に襲われた。

 

 

「突然振動が感じたと思ったその時、体が水面まで上げられたと思ったら、また水中に引き戻され、さらにぐるぐる回りだし洗濯機の中のようだった。

 

 

海水を多く飲んでしまい、このまま溺れるのかなと思ったけど、生き残ろうと必死だった自分がいたんんだ」

 

 

「ほんの3秒ほど回転が収まったと思って泳ごうとしても泳げず、ただただ流されるだけだったんだ。

 

 

そして上を見上げると水面に何か流されているなと思ったら2隻の船だったんだ。

 

 

その後、2人の男女も流されていて、男性は頭から血が流れ出しており、その目は閉じていた。

 

 

女性が男性のほうに手を伸ばして掴まえようとするも届かず男性はそのまま流されていったんだ」

 

 

「途中タンクも外れてしまい呼吸をしようと必死に水面へもがきながら泳いでいた私の心臓の鼓動は早く焦っていたその時、

 

 

突然流れがゆるくなり海面に出て海岸まで必死に泳ぐことができた後に気づいたのだが自分の耳からは血が流れていた」


ジェイソン・ヘラー氏   男性 30歳 会社社長 シミラン諸島にて

スマトラ島沖の水中で津波に遭遇したダイバーたちの記録体験

アメリカ在住のへラーは水中写真が趣味でダイビングを楽しんでいた時に津波に遭遇している。

 

 

 カメラはストラップでBCジャケットに付けていた。

 

 

水深は30mの位置にいたが、さらにダウンカレントのような深みに引き込まれる流れを感じた。

 

 

「海中は泳げる状態ではなかったので岩を掴むことしかできなかったんだ」

 

 

強い流れが終わるまで岩に掴まっていたヘラーは30分後に水面に浮上、その海の様子は不気味なくらい荒れていたが無事にピックアップされた.

 

 

 へラーが乗船していたダイブクルーズ船は波で岩に叩きつけられた他のダイブクルーズ船から救援要請を受けていて救命イカダで避難しているというのだ。

 

 

へラーが乗船していたクルーズ船が、現場に付いた頃には、他のクルーズ船によって無事助けられていた。


ロブ・ファン・カッペラン 男性 オランダ人 インストラクター シミラン諸島にて

ダイビングクルーズ船のスクーバ・キャット号に乗船していたロブ・ファン・カッペラン自身は水中にはいなかったものの、無線で聞いた他のダイバーの体験だった。

 

 

 ダイバー達は水深27mの位置で津波に襲われ、数秒間で水深3mまで引き上げられ、すぐに水深18mまで引き戻されたみたいだ。

 

 

ダイビングは水中で与圧されたタンクに入っている空気を吸うことから、水深が急激に変化するということは肺の破裂や鼓膜の破れの危険があるのだがダイバー達は何もなく無事だったようだ。


ミッチ 女性 カナダ人   スリン島にて

スリン島周辺海域でミッチはバンコク大学のチームと潜水調査をしている最中に津波に襲われている。

 

 

突然、衝撃波のような何かを感じた後に強い流れに吹き飛ばされ、珊瑚に掴まったが流れの力に負けて珊瑚が折れてしまい流されてしまった。

 

 

流されている先にブイが伸びているのが見えたので、必死にロープまで泳ぎロープを掴めたことで浮上でき助かることができた。


アドリアン・ケイ氏 男性 29歳 イギリス人 インストラクター リチェリューロックにて

スリン島から数十キロ離れているリチェルーロックで14人のダイバーとダイビングをしていた最中に津波に遭遇している。

 

 

このポイントは大物のジンベエザメなどに出会える確立が高いことで有名でダイバー達からも人気のダイブサイトになっている。

 

 

今回のダイバーは下半身付随の1名と強度難聴者が3名でケイは水中ビデオで撮影をしていた。


 

「こんなに恐ろしい体験は生涯で一番だったよ。

 

 

エントリーして津波が来るまではパーフェクトなダイビングだったよ。

 

 

突然、魚が狂ったように暴れ始めたんだ。

 

 

その魚達は津波が来るのがわかっただと思う。四方八方に泳いでいったよ。」

 

 

 「その後。透明度は悪くなり、まわりは真っ暗になり、水中は洗濯機みたいでダイバー達は流されていったんだ。

 

 

何がなんだかわからず、一つだけ分かったのは岩に掴まらないとはぐれて流されてしまう」

 

 

「岩に掴まった我々の手はズタズタに切れた状態になってしまい、耐え切れないと思い、みんなで掴まり合って流されると、水面に向かって吹き上げられたり、違う岩に叩きつけられたり、数人はぐれてしまったんだ。

 

 

「はぐれたダイバーを探すために岩を掴んで這って降りていくと、重度聴覚障害者のナオミが見つかった。

 

 

その先には下半身不随の男も見つけられたんだ

 

 

それから岩を這い上がろうとしたが流れが強く無理だったから、またお互いに掴まり合って今度こそは、はぐれないように頑張った。

 

 

やがてながれも治まり浮上し、全員で船に戻ることが出来たんだ!」 

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